中島孤島の軌跡

明治生まれの文学者中島孤島の作品と人生をたどります

2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

アンデルセンの紹介(2)

大正10年8月発行の中島孤島『変な家鴨』精華書院には、表題の物語のほかに、以下のアンデルセン作品が収められている。 運は棒の先にも とぢ針 ヒャルマアの夢 天使 甲蟲(かぶとむし) 蕎麦の自慢 樅(もみ)の木 アンデルセン作品は「みにくいあひるの子」…

アンデルセンの紹介(1)

グリム童話と並び称されるアンデルセンの童話は、代表的なものに「人魚姫」「みにくいあひるの子」「裸の王様」などがあるが、日本に紹介されたのは、やはりグリム童話と同様に明治期からである。 中島孤島はアンデルセンの童話についてもいくつか翻訳を残し…

少年世界文学第15編『蝶の魔法』

『狼太郎』と同じ少年世界文学のシリーズに中島孤島編『蝶の魔法』という本があるが、これも県立神奈川近代文学館で目にすることがかなった。 kotoh.hatenablog.com 『狼太郎』と異なるのは、こちらは完全な翻案というよりも、外国文学として表されているこ…

キップリング原作『狼太郎』

先日、県立神奈川近代文学館を訪れ、中島孤島編/キップリング原作『狼太郎』(冨山房 明治35年)の現物をようやく目にすることができた。 kotoh.hatenablog.com 中島孤島/編ではあるが、本文の一ページ目に「坪内逍遙閲 中島孤島編 渡部金秋画」と並んで記さ…

『啄木鳥探偵處』からわかる明治42年

中島孤島が金田一京助を通して石川啄木に出会ったのは1909年(明治42年)のことだが、あるときちょうどその頃を舞台として「金田一京助と石川啄木を主人公にして創作した物語」が存在することを知った。 それは伊井圭/著『啄木鳥探偵處』東京創元社で、2020…

石川啄木との交流(3)

石川啄木は、日記だけでなく書簡にも執筆中の小説『木馬』(のちに『道』と改題)のことを記している。 (坪内祐三編集『明治の文学 第19巻 石川啄木』筑摩書房 2002年1月より) 四月十六日 (書簡)本郷より 宮崎大四郎宛 「・・昨夜も四時頃迄起きていたの…

石川啄木との交流(2)

石川啄木は、明治42年4月2日から「ローマ字日記」を書き始めている。 そこに現れた中島孤島やその周辺の人たちとの交流を抜き出して書き出してみる。 (坪内祐三編集『明治の文学 第19巻 石川啄木』筑摩書房 2002年1月より) ゛明治四十二年 四月十四日 水曜…